【最新】中小企業の転職事情と求人情報

中小企業の人材

最新の中小企業の求人は?

厚生労働省が毎月発表している雇用情勢では、有効求人倍率は2019年12月時点で1.57倍、2020年11月の有効求人倍率は1.0倍でした。

この急激な変化は新型コロナの影響によるもので、全体的な景気は大きく冷え込みました。

ただコロナ禍での企業倒産は2000年以降でも最少レベルの件数にまで減少しています。

これは政府による各種、補助金、支援金、緊急融資など政策により倒産を免れた企業が多かったからです。

しかし、2021年1月、再び東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県など首都圏で緊急事態宣言を発令する事態になりました。

景気は戻りつつあったもののコロナ以前の状況には回復していません。

求人だけをみれば、地域によっては1.0倍を切っており、求人数は減っている状況です。

ただし、テレワーク導入や巣ごもり需要の拡大で、業種や企業によっては過去最高益を出しているのも事実。

中小企業の中でも売上を伸ばしている企業とそうでない企業の明暗が分かれており、アフターコロナを見据えた企業の求人は積極的です。

「地域中小企業人材確保支援等事業」として、各経済産業局が実施する地域内外の若者・女性・シニア等の多様な人材を求めている地域の中小企業・小規模事業者からの求人募集もありますので、ハローワークや転職サイトの紹介サービスで、希望の条件・待遇の仕事が見つかる可能性があります。

中小企業と大手企業の違いとは?

中小企業は以下の表のように定義が決まっています。中小企業基本法では、資本金、出資の総額と、常時使用する従業員の人数で、業種別に基準が設けられています。

業種 中小企業者(下記のいずれかを満たすこと) 小規模企業者
資本金の額または出資の総額 常時使用する従業員数 常時使用する従業員数
製造業、建設業、運輸業、
下記を除くその他の業種
3億円以下 300人以下 20人以下
卸売業 1億円以下 100人以下 5人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下 5人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下 5人以下

参考:中小企業庁

中小企業に転職するメリット・デメリット

中小企業で働く女性

大企業に転職した場合と比べた時の、中小企業に転職するメリットとデメリットです。

【メリット】

  • 社長・役員と直接話す機会が多く、自分のアイデアを提案しやすい
  • 意思決定のスピードが速く、仕事がはかどりやすい
  • 事業・部署間の距離が近く、総合的なスキルが身に付きやすい
  • 社員数が少ないので、コミュニケーションをとりやすい
  • 転勤が少ない
  • 昇進が早い

【デメリット】

  • 大企業に比べ、一人あたりの業務が広く、責任も大きくなる
  • 大企業よりボーナス、給与は少ないことが多い
  • 大企業に比べると安定性、信頼性に不安がある
  • 大企業に比べて、福利厚生・労働条件が整っていないことが多い

中小企業への転職を考えている人に関して、向いている人とそうじゃない人がいるはずです。

実際に向いていると言えるのはどんな人なのか?に関して、1つ特徴的なのはアットホームな職場の雰囲気を求めている人でしょう。

職場の雰囲気は会社ごとに違っていますけど、大手企業と中小企業でもまた違いがあるはずです。

中小企業の場合、会社全体の規模が相対的に小さく、従業員数も少ない傾向にあります。

すなわち、日常的に会社の中のかなりの割合の社員と接する可能性が高いと言えるでしょう。

大企業の場合には、従業員の数がかなり多いため、日常的に接する社員は会社全体のほんの一部に限られています。

したがって、中小企業では会社全体の一体感を感じやすいでしょうし、それこそ社長と普通に話したりする機会も多くあるのではないでしょうか?

そういった部分から、会社の人たちの多くが顔見知りと言える状況であり、アットホームな雰囲気の中で働くことが可能と言えるはずです。

中小企業で働くことのメリットはありますけど、そのメリットに共感できるか?はその人次第な面があります。

だから、実際に中小企業への転職をするならば、そこをきちんと理解したうえで考えていくと良いでしょう。

中小企業に勤めた場合、会社にとってあなたの存在価値が大きくなります

その分やりがいも出てくるかもしれませんが、反面、責任も重くなるでしょう。

労働条件(待遇・福利厚生含む)は、多くの場合大企業に比べると見劣りするかもしれません。

しかし、人間関係がうまくいけば、アットホームな雰囲気で、働きやすい職場となる可能性もあります。

以上が、中小企業で働くメリット、デメリットのまとめです。

優良な中小企業に転職する方法

中小企業の面接

中小企業庁の資料によれば、全国421万社ある企業のうち、99.7%を中小企業が占めています

さらに小規模企業になると、企業数の87%を占めている状況です。

従業員数に関しては、7割弱が中小企業に勤めています

転職においてもあなたが転職活動する時に中小企業を新たな職場とする可能性は高いといえるでしょう。

しかし、一言で中小企業と言っても、千差万別です。

極端な例ですが、毎日、朝から晩まで働き、残業をしても年収200万円台のブラック企業もあれば、残業がほとんどなく、大企業顔負けの給与、ボーナスと福利厚生を誇る超優良なホワイト企業もあります。

そのどちらに転職したいのか?と聞かれれば、多くの方は優良な中小企業に転職したいと思われるでしょう。

そこで、以下に簡単な優良な中小企業の見分け方をまとめました。

優良企業とブラック企業を見極める時の基準として、参考にしていただければ幸いです。

業績が伸びている

優良な中業企業は業績が伸びています。
売り上げが良くないとサービス残業が増えたり、給与も上がりにくくなります。
上場企業と違い、業績を開示している企業は少ないので、もし分からなければ、面接時に聞いてみるのがよいでしょう。

事業内容に将来性がある

事業内容が将来にわたって継続できるものかチェックします。
もし難しいようであれば、新しい事業が育っているのかを確認します。

メール・電話対応が良い

メールの内容、メールや電話のレスポンスの早さをチェックしましょう。
返信が全くない、何度電話しても出ないなどは論外です。
また面接時には採用担当者自身の態度、マナーをチェックしてみましょう。

離職率が低い

中規模の企業であれば、就職四季報(優良・中堅企業版)で確認できる場合があります。
もしくは会社のホームページに従業員が掲載されていれば、前年の従業員数÷(前々年の従業員数+前々年の入社人数)などである程度なら分かるはずです。

福利厚生の充実ぶり

厚生年金保険、健康保険、雇用保険は当然として、ほかにどの様な福利厚生があるのかを確認します。
従業員を大切にしている会社は、福利厚生が充実しています。

給与の額、昇給制度が明確になっている

給与・昇給・ボーナスは最初に目に行くと思いますが、大切です。
残業代についても必ず明示しているのか確認が必要です。
固定残業代、みなし残業代、裁量労働制の場合、残業すればするほどサービス残業ということになるので注意が必要になります。

教育・研修制度がしっかりしている

一定のスキルが必要な職種の場合、どれだけの支援を会社が行ってくれるのか?
教育、研修制度はしっかりしているのかどうかを確認する必要があります。

会社の口コミ・評判

インターネット上には様々な口コミサイト、掲示板があります。全てが正しいとは言いませんが、ある程度の評価は判るでしょう。

以上のポイントをおさえることで、中小企業でも優良な会社をピックアップすることができます。

中小企業に転職した時の体験談

無職からハローワークを使って転職

(Tさん、40代前半男性・兵庫県)

前職が契約社員で契約期限満了につき退職し、手当たりしだい探して3日に1回通ってました。
それでも正社員で手取り月20万円以上往復1時間以内での条件はなかなか無くてそれでも自分に出来ることは選り好みせずに応募しました。
当時は介護職が圧倒的に多く収入も低いのでどうしても見つからなければ満足出来る収入を得るための我慢期間として就職することも考えました。
1ヶ月後希望条件に合致する求人案件が見つかったので即応募しました。
聞かれた内容は、志望動機、製造会社での経験、フォークリフトは使えるのか、残業は出来るかです。
抜き打ちで小テスト(中学国語、中学数学)を受けました。
合否までに1週間かかるみたいなのでその間も条件に合う案件を探しました。
抜き打ちテストには驚きましたがその後も活動を続けました。
契約社員で手取り22万円通勤時間は往復90分の会社も応募しました。
そこでは圧迫面接を受け、兄弟はいるか?父は働いているのか?貯金はあるか?付き合っている女性はいるか?など本人の能力とは関係ないプライバシー侵害の質問が続き嫌になりました。
抜き打ちテスト(高校国語、高校数学)があり良い印象がないので辞退しました。
その4日後に正社員採用が決まり入社しました。

友人の紹介で転職

(Yさん、30代前半男性・大阪府)

あるパン工場に勤めていましたが、朝7時から働いていました。基本の定時は夕方4時なんですが、残業で残る事もありますが夕方5時、6時位に終わることがほとんどでした。仕事自体はハードではなく楽しんでいましたが、ある時会社が別の会社と合併する事になりました。そこから2つの会社で請け負っていた仕事量を1つの会社で請け負う事になり、仕事量が異常に増えて忙しくなっていきました。仕事自体でスタートは7時は変わることはありませんでしたが、終わる時間が基本晩7時位になり、残業も当然増えていきました。夜9時、10時になることが普通になり夜の12時になることも段々増えていきました。その時期から辞めようかなと思うようになりました。もちろん残業分に対して給与は支払われていましたが、体が段々疲れてきましたし、会社の皆も疲弊している感じがしました。自分の1ヶ月の生活の時間が仕事でかなり埋まっていたり、残業が100時間近くになっている事もあり、そこで、新たな仕事の目処は全くありませんでしたがその工場を辞めました。
1ヶ月近くのんびりしようかなと思っていましたが、一週間近くのんびりしていたら、なんか働かないと駄目な人間になるかなと思い、仕事を探していたら、丁度友人がうちの仕事場、人が足りないから来ない?と紹介してくれたので転職は紹介であっさりと決まりました。交友関係って大切だなと思いましたし、今の仕事残業がなく定時で終わるのでとても楽しくしています。

転職活動は専門家に相談するとよい

(Uさん、30代前半女性・北海道)

私が会社を辞めた理由は、結婚で引っ越すこととなり、通勤できなくなったことです。
当時遠距離恋愛をしていた彼からプロポーズされ、彼の住んでいる地域に行くことになりました。
飛行機で行き来する距離なので、通勤は難しく、退職することとなりました。
ただ、数年以内には退職しようと思っていたので、結婚がよいタイミングになったという感じです。
社員数名の小さな会社で、人間関係はよかったのですが、社長の仕事の進め方については疑問を抱いていました。
この会社は長年働くことができないと思い、転職できるようスキルアップしようと思ったところでした。
結婚し、引っ越した土地で転職活動を始めました。
仕事と家庭を両立するためには前職の営業ではなく、事務を希望し転職活動を行いました。
新婚で未経験者ということがあったのだと思いますが、書類選考の時点で不合格となることも多かったです。
ハローワークのセミナーを受けたり、市の就職支援事業を受託している職業紹介事業者の担当に相談したりして書類の書き方も改善していきました。
あきらめず応募しているとある会社から面接に呼ばれ、面接の結果、採用されました。
転職活動は孤独になりがちですが、相談すると気持ちも楽になるし、行き詰まったら専門家に相談することで解決の糸口が見えてくることもあります。
転職活動では、「使えるものは使ってみる」ことが大切だと思いました。