新型コロナ禍の女性の求人状況を予測する
第二次安倍政権下では有効求人倍率が0.8倍台から一時は1.6倍台倍まで伸び、雇用が2020年6月までに400万人近く増えましたが(正規・非正規共)、新型コロナウィルス禍で雇用状況が大きく変わりました。
総務省の労働力調査(※2020年4月~7月の前年同期比増減数)において、明らかになっているのは、宿泊・飲食業就業者数の減少です。
次に娯楽・生活、製造、小売り・卸と続きます。
外出自粛、営業時間短縮など宿泊、飲食業への影響は大きく、特に女性の雇用が悪化しました。
前年同期からの平均で、女性に着目してみると、宿泊・飲食業で28万人減、生活・娯楽業で14万人減、卸・小売業で11万人減となっています。
これらの業種では女性の非正規社員が多く、雇用調整の対象になりました。
女性の雇用を全体に見た場合でも、2019年末から2020年7月までに87万人減となっています。
2008~2009年のリーマンショック時には外需が激減し、男性の多い製造業が最も影響を受けたため、男性の雇用が大きく減りましたが、今回は内需を直撃し、女性の雇用が激減しました。
実は第2次安倍内閣(2012年12月~)発足後、2019年12月までの就業者数(497万人)は女性と高齢者の増加が大きく、合わせて330万人増えていたのですが、新型コロナ禍で一気にその雇用が減りつつあります。
今後、ソーシャルディスタンスを必要とする生活様式が定着し、現在も好調なネット通販の拡大、自動レジ導入等が進むと、ますます接客サービスにおいては、女性の就業が困難になることが予想されます。
有効求人倍率も2019年12月に1.57倍だったものが、2020年7月には1.08倍にまで下がっており、しばらくは下がる可能性が高いです。
その一方で職種によっては人手不足な業種があり、例えば、介護サービスでは3.99倍、ケアマネージャー・ソーシャルワーカーで2.75倍となっています。
医療・福祉分野では総務省の労働力調査(※2020年4月~7月の前年同期比増減数)において、8万人増加しました。
またテレワーク、ネット通販の拡大を見込んで、情報通信分野で働く女性が増えています。
今後の女性の就業、転職を考えた時に、医療福祉やデジタル関連の資格を取ることは大きなプラスになってくるでしょう。
今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、70万人以上いると言われる潜在看護師(看護職を辞められた方)の復職(看護師転職サイト)が求められています。
病院、診療所、介護施設をはじめ、保育所、学童保育、小・中学校ほか様々な現場でのニーズが高まってきました。
介護福祉士など介護職も団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる「2025年問題」が迫り、ますます必要(介護士転職サイト)とされています。
AI(人工知能)の進化とITデジタル社会にとって、最新のテクノロジーを使いこなせる人材のニーズも高まることは間違いありません。
今後は、人に対して直接コミュニケーションを取る介護・福祉分野、IT・AI・デジタル技術を活用出来る人材が重宝されます。
今から新型コロナ後の社会を見据え、準備しておきましょう。
※1『労働力調査(詳細集計)2020年(令和2年)4~6月期平均結果』(総務省統計局)
※2『労働力調査(詳細集計)2020年(令和2年)7月期平均結果』(総務省統計局)