看護師の仕事内容と業務内容
看護師の仕事内容とナース業務です。
看護師の仕事の魅力、やりがい、具体的な業務内容についてまとめています。
看護師の仕事内容と業務
【看護師の仕事内容と業務内容の解説動画】
看護師の仕事内容と業務は、就業場所や診療科によって異なります。
基本的には医師の指示の元での診察や治療の補助と患者さんのケアを行うことはどの職場の看護師にも共通しているといえるでしょう。
たとえば病棟看護師の仕事なら、注射、点滴、採血、血圧、体温、脈拍の測定など診療の補助や入院患者の食事、入浴、排泄の補助、配膳、配薬、体位交換、ベッドメーキングなど患者の療養上のさまざまなお世話があります。
またミューティングやカンファレンスなど情報の交換や、カルテ記録、看護記録の整理なども大切な業務です。
忙しくてもやりがいはある看護師という仕事
看護師はしばしば職場に関する不満点を抱えているものです。
看護師の仕事について、公益社団法人日本看護協会の『2017年 看護職員実態調査』によると、2017年9月に「超過勤務をした」看護師の割合は85.7%にも上ります。
2019年7月における『2019年 病院看護実態調査』によると、月平均超過勤務時間は、「1~4時間未満」が29.1%で最も多く、次に「4~7 時間未満」が21.0%、「7~10時間未満」が13.6%となっています。
有給休暇の取得率は50%を割っており、必ずしも十分な休暇が取れているとは言えないでしょう。
また深夜勤務に関する悩みはとても多いです。
夜勤になる都合上、体力を求められますし、夜勤明けの引き継ぎのタイミングで。心身共に疲弊している方々も少なくありません。
夜勤を続けながら、心身共に健康でいられるために家族や配偶者の理解・協力が得られることも大切です。
また仕事の中で色々と汚物を取り扱うこともあります。
患者の血液や膿など様々な物を取り扱う事になるので、特に新人看護師は慣れていなければ過酷な仕事だと思う事も多いです。
また仕事に関するプレッシャーの問題もあります。
実際に仕事に関するプレッシャーやストレスから医療事故を起こさないかを悩んでいる看護師は多いです。
その他にも、労働時間の問題もあります。
大病院などでは、看護師の労働時間も長くなってしまい大きなストレスを感じている方々も多いのです。
また時間外労働が増えることで、健康に対する不安も大きくなります。
医労連の『2017年看護職員の労働実態調査結果報告』によると、約7割の看護師が健康に何らかの不安を抱えていることが分かります。
慢性的な疲労に関しても約7割の看護師が感じているのです。
上述のような状況ですから、多くの看護師の方々は仕事はとても大変だと感じています。
したがって、看護師によっては、転職を検討している事も多いのです。
しかし、その反面で、やりがいを感じている看護師も珍しくありません。
確かに大変な事も多い仕事なのですが、充実感を味わっている人も多くいます。
特に患者さんやその家族などに感謝された時は、看護師冥利に尽きるでしょう。
例えば、病棟看護師なら足腰が不自由な患者が移動する為に、手助けをする機会があります。
その手助けに伴い患者から感謝される事もある訳です。
もちろん看護業務は、患者の移動を助けるだけではありませんし、さまざまな業務で患者に寄り添います。
それで感謝される機会が多いのです。
看護師はその感謝の言葉をかけられた時に、大きなやりがいを感じています。
人から感謝される仕事だけに社会的な貢献度を実感しているナースの方々も多いです。
患者さんの感謝の気持ちが伝わりますと、大きなやりがいを感じられる仕事でもあります。
忙しくなかなか自由に休みが取れなかったり、大変な事も多いですが他の仕事よりは、大きなやりがいも感じれる職業といえます。
ですから様々な不満を感じながらも、看護師として長く働き続けている方々は大変多いのです。
この「やりがい」は、看護師という仕事の大きな魅力だと言えるでしょう。
具体的な看護師の仕事内容と業務
病院で働く看護師の場合は、共通する業務をしています。
ここでは、病棟で働く看護師について、一日の流れをご紹介します。
・カルテから情報収集
申し送りをするところもありますが、今は電子カルテとなっているところが多く勤務をする前に電子カルテで患者さんの情報を得ることが多いです。
申し送りは短縮する方向となっているので情報としてはしっかりカルテから取るようにします。
・患者さんのケア
次に行うのは、受け持ち患者さんのケアです。その時、バイタルサインを測定してから行う場合もあります。
バイタルサインで異常がある場合は、そのことをアセスメントをしたうえでケアをすることが必要となるからです。
清拭や入浴介助、ベッド周囲の環境整備などを実施します。
そして患者さんの状態に合わせてケアと処置の介助を行います。
多くの場合、医師が外来に行く前に実施をする、外来が終了してから実施する場合など医師の時間調整により介助を行います。
・患者さんの記録
記録はとても重要です。
バイタルサインの他、患者さんの状態について常に記録をします。
記録を充実させていることにより、申し送りを短縮させることが出来るし、ほかの医療従事者との情報を共有することができます。
患者さんの記録をとることはとても重要なことですね。
・カンファレンス
気になる患者さんについて、医師や看護師同士でカンファレンスを行います。
そしてカンファレンスの結果を全て、記録として残して情報共有を行います。
自治医科大学附属病院看護師編2017/看護師の一日
3人の看護師の一日の仕事内容(ドキュメンタリー)です。
<看護師の生活 自治医科大学附属病院>
<伊東 香織 1年目看護師 整形外科病棟>00:00:10
1年目の伊東さんは整形外科をローテーション中です。
<出勤>00:00:16
構内に看護師宿舎があります。病院まで15分ほどの便利な立地です。
<勤務時間 08:15-17:00 申し送り>00:00:25
チーム全体で患者さんのことを把握しているので、先輩から患者さんへのアドバイスが受けやすく、また、コミュニケーションをとるきっかけにもなっています。
<勤務時間 08:15-17:00 患者ケア>00:00:33
<Q研修1年目について>00:00:49
伊東:『どの部署に行っても皆さんでサポートしてくれて、相談しないでできないよりは、なんでも、1年目なんだからもちろんわかんないから、相談してくれれば教えるから聞いてねって言われて。
わかんないことは先輩に聞いて、解決して、やってます。
どの先輩に聞いても、教えてくれて指導してくださるので、大分私は安心していつも働かせてもらってます。』
<山口 莉歩 2年目看護師 泌尿器科病棟>00:01:21
山口さんは2年目のラダー研修中。
<勤務時間 08:15-17:00 情報把握>00:01:28
<勤務時間 08:15-17:00 スケジュール確認>00:01:32
<勤務時間 08:15-17:00 リーダー業務:指示伝達>00:01:36
泌尿器科では、チーム制看護には欠かせないリーダー業務を1年目の後半から受け持つことになります。入職直後から看護研修によって様々な経験を積んでいるので、自信をもってリーダー業務を行うことができます。
<Qリーダー業務について>00:01:54
山口:『1年生の後半からリーダー業務を行います。チーム全体を見るのは難しいんですけど、先輩看護師からアドバイスとかサポートをしていただきながら、その日のリーダーを過ごすことができるので、そんなに構えなくても1日過ごせました。
2年目になると、1年間そのチームで働いてきているので、メンバーとしての動きだったり患者さんの流れがわかってくるので、それをわかった上で、先生に指示を確認したり自分から動けるようになりました。』
<五十嵐 佳奈 育休明け看護師 子ども医療センター>00:02:32
育休明けの五十嵐さん。育児短時間勤務制度を利用しています。
<保育園 見送り>00:02:38
当病院の育児短時間勤務制度の利用率は全国トップクラスです。構内にわかくさ保育園があるので、無駄な移動時間もかからず働きやすい環境です。
<勤務時間 08:45-16:30 バイタルサイン>00:02:54
<勤務時間 08:45-16:30 点滴準備>00:02:56
<勤務時間 08:45-16:30 カルテ記入>00:03:00
多くの方が育児短時間勤務制度を利用しているので、病棟内の理解も深く、気兼ねなく利用することができます。
<Q育児短時間勤務について>00:03:03
五十嵐:『結構朝はバタバタしちゃうので時短がないと厳しいなっていうのはよく思います。
周りのフォローがちゃんとしっかりしてくれるので、取りにくいということはないですし、子育てしていく上で結構制度がしっかりしているなというのは感じました。』
看護師の仕事は健康第一
看護師の仕事というのは医学的な知識というのも必要ですが、医師のように患者さんを診察したり患者さんに治療をするような仕事ではありません。
看護師としては、どれだけ患者さんの症状を和らげてあげることが出来るのかがとても大事にもなってきます。
注射をするにも患者さんが怖がらないように声をかけてあげるようにしたり、上手に注射してあげると注射による恐怖を和らげてあげることもできるでしょう。
そのためには看護師さん自身が健康で笑顔でいることが大事です。
病院というのは基本的に病気の治療や怪我の治療で行くところですから、気分的にも顔が暗くなるものです。
そういった時、笑顔で看護師さんが対応してくれれば、気分も痛みも多少軽くなるものです。
ですから看護師として転職するにも、笑顔を忘れないようにしましょう。
わざわざ求人の欄に笑顔で仕事ができる人を条件としていたりすることもあるので、笑顔で頑張れるということはとても大切なことでもあります。
特に高齢者が多い病院であれば、若い人のように早く歩いたり話したりすることもできないので、そうした笑顔や思いやりの心というのが必要にもなってきます。
自分がイライラすれば職場全体がイライラしてしまうようにもなり、医療ミスにも繋がってしまうので注意が必要です。
健康ではつらつと仕事ができることをアピールして転職を成功させてみても良いでしょう。
看護師は自己管理として健康維持も大事です。
看護師の仕事と人間関係
看護師という職業は、人間関係との密接な関連性があります。
転職理由に関わっているからです。
病院などで勤務しているナースの方々は、大きなストレスを抱いている事もあります。上司との人間関係なども、その1つなのです。
実はそれは、看護師という仕事の大きな特徴の1つなのです。
会社での人間関係は、必ずしも良いとは断言できません。職場によっては、同僚や上司との関係が微妙な事も実際あるのです。
その状態が長く続いてしまいますと、やはり働いている看護師本人としては、大きなストレスを感じてしまうでしょう。
それで職場での人間関係があまり良くない時には、転職活動も検討されるのです。
転職をしますと、少なくとも人間関係はリセットされる事になります。
別の病院で働くようになれば、今までの病院の上司とは、無縁な関係になるからです。同僚も同様です。
現に転職によって、現在の悩み事が解消されるケースもしばしばあります。
考えてみれば、それも当然です。今まで自分を悩ませていた人間関係がリセットされるので、ストレスも軽減される訳です。
ちなみに過去には、転職活動をした方々に、アンケートが行われた事もあります。
「どういう理由で転職しましたか」というアンケートでしたが、全職種を対象にすると、「給与の不満」が一番多かったのです。
看護師という職業を対象にした場合、上述の「人間関係」という理由が一番多いというデータもあります。
特に人間関係が大事であることは、看護師の仕事の特徴の1つであることは間違いないでしょう。
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